Yuri

散り椿のYuriのレビュー・感想・評価

散り椿(2018年製作の映画)
4.2
木村監督の作品は観る側も律しなければという不思議な緊張感があります(笑)時代劇だと特に。あと、スタッフロールをそれぞれの字体にするなど、映画愛に溢れてます(*^^*) 大抵の時代劇は悪事は火を見るより明らかな事が多いですが、本作では、なぜ、不正事件の咎を源之進(駿河太郎)が受けなければならなかったのか?釆女の父を斬ったのは誰だったのか?という疑問が本当にわからないままストーリーが進むので、注意深く見落とさないように観てました。人間関係が多い上にめちゃくちゃ複雑でしたしね(^_^;) 結果、篠の願いは釆女を通じて新兵衛に届くわけですが、篠が賭けに出過ぎだし、わかりにくいなーと思いました。里美(黒木華)との恋愛はもう少し踏み込んだ方が、感情移入出来たかも。清流のように綺麗にまとめ過ぎた印象です。「人は大切に想うものに出会えただけで幸せ」という考え方は、あの時代だからこその儚く美しい生き方で、現代人は多くを求め過ぎなのかなと反省させられました。それにしても、新旧合わせてよくここまで木村監督が好みそうな役者が揃ったなと感心してしまいました。めっちゃ豪華(笑)岡田くんはカメラマンだけでなく殺陣指導までしてるし(笑)ミステリーとして面白く、殺陣のスピードと気迫も凄いし、非常に美しく日本の四季折々を感じることのできる作品です。ワンシーンワンシーンが綺麗だったなぁと暫く余韻に浸れそうです(*´∇`*) 新兵衛の質実剛健な生き様は往年のさすらいナントカみたいでもあるし、ハリウッドの凄腕ガンマンのようでもあり、世界共通の格好良さだと思うので、日本を紹介するのにちょうど良い映画です(*^¬^*)
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