もう一度…あの散り椿を…
全ては拙者の誤りでござったこと…ここに陳謝いたす…
実を申せば…木村大作という監督…岡田准一という役者…少々軽んじておったきらいがござる…
なぜならば…木村大作…その卓越した撮影技術はこれまでの日本映画に多大な貢献残しきことにいささかも疑うことなし…
しかしながら監督第一作二作と我が心に響かず…
「名撮影師…名監督に非ず」なのかと懸念しておりました。
本格時代劇は作るのが難しくなっていると聞く昨今…この堂々たる見事な本格派…木村大作監督のキャリアと人脈がなせる技か…
その抑制の効いた演出も素晴らしく…
お見事!
そして…岡田准一…
役者としての力量は間違いないところではあるが、その端正すぎる顔立ちからどうしても優等生感が抜けなかった…
ところが今回どうだ…「鬼の新兵衛」としてその獣じみた佇まい…優等生感が抜けておるではないか!
時おり挟まれる鍛練の姿も含め…その鬼神のごとき殺陣…
見事である!
そして脇を固める御仁・御婦人…皆…見事である。
特に少ない出番ながら強烈な印象を残す柳楽優弥…
新兵衛が抜き身を構えたとき…まるで呆けたように口をあける石橋蓮司…
ことごとく見事なり…
この時代にこのような見事な時代劇を目にすることが出来るとは!
しかし、いくら平日の最終回とはいえ…映画館に拙者ただ一人とは…なんたること!
この侍不在の時代に侍を伝えるこの映画を…観ていたのは拙者一人…💦
日本国の行く末を憂いた夜になり候う…