jonajona

バック・トゥ・ザ・フューチャーのjonajonaのレビュー・感想・評価

5.0
下北沢トリウッドにて、スマッシュヒットした『パームスプリング』も含めたタイムループ特集が開催されてたので、そこで10数年ぶりのBTTFを。(初トリウッド)

子供の頃何度となく見た映画だったので、なぜ自分がこの映画をこんなに好きだったのかとかそういやこんな展開あったな〜!とかあのいつも泣いてた感動的なシーンってコレだけの演出だっけ!?と懐古に次ぐ懐古。郷愁がやばかった。

昔必ず泣いてたシーンが二つあって、ダンスパーティで舞台上で演奏するマーティに対してお父さんが🤚シュ!って『ありがとう』を目と手だけで伝えるところ(ほいでそれにマーティが同じく✋って返すシーン…)
もう一つがお別れの作戦の前に、マーティがドクを抱きしめてドクが目をカット見開いたのち少し泣きそうな表情になる(ように見える)ところ。
今回見返して、冴えない家族の再生の物語、特に父親を、息子が助けて、家族が再生する物語だから当時の自分は子供ながらに感動してたんだなぁと気付いてちょっと不思議な気持ちになる。お気に入りのシーンは二つとも父と息子の関係に関する部分になってた。
父親はもちろん、ドクにとってもマーティは誰もが信じないで変人扱いされ続けてきた(そしてこれからもそう扱われ続ける)人生における『あなたは間違ってないんだよ』っていう存在証明をしてくれる存在なので、そういう意味では唯一無二、息子同様。それをうまく伝えてくれてるからこそ、あの最後の抱擁シーンで、目に涙を溜めるだけで『長いこと孤独に信念を信じて頑張ってきて、これからもそうだろうけど、私は認められた』ってドクが感じてるんだろうなって伝わってきて泣ける。街の変人とされるドクが作中1番の真っ当な人間ってバランスも最高。
小学生ながらに如何ともしがたい家族の形を過去に戻って懸命により良くしようと行動するマーティみたいになりたかったんだろう。それで、母親と父親に君が居てよかったと笑って欲しかったんだろう。現実には僕は何もできず、代わりにありものの世界を変えていける物語というものにどんどん熱中していった。
その頃の傷痕みたいなものが今の自分にも地続きに残っていて、それで形作られてる世界がここなんだなぁと。

そんな風に昔の心にタイムスリップさせてくれるなんて、思いもしなかった。バックトゥザフューチャーは最高の物語だなあと改めて感動した

あと、演出が短くてもそこから意味を読み取る力が圧倒的に昔の方が強かったなあ…と感じて、子供の感受性ってマジで水谷豊とちょっと凹んだ笑。取り戻したい。もっと物語に純粋に感動するほど集中なきゃな。初心に帰れそう、ほんと。

見終わってから買いそびれたと思ってた大橋裕之さんデザインの『街の上で』 Tシャツがまだあったので興奮して買って、BTTFの3部作網羅のパンフレットも勢いで買っちゃった。
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