春とヒコーキ土岡哲朗

バック・トゥ・ザ・フューチャーの春とヒコーキ土岡哲朗のレビュー・感想・評価

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やっぱり面白い!

過去に来てしまって戻れない主人公の姿に、不安も大きいんだけど、ワクワクしちゃうんだ。最初の現代シーンでいっぱいフって、フって、フって、過去シーンや戻ってからの現在シーンでオトして、オトして、オトす。
トラックの荷台から出てきたデロリアンとマーティが出会う、劇的な演出。主人公とキーアイテムの出会いをゆっくりとした間で描くところがたまらない。

過去に来たマーティには、両親をくっつけることと、雷の瞬間にデロリアンで走ること、二つの課題があるわけだが、両親の方が本当に難題。なかなか巡り会ってくれないどころか、マーティが若き日の母に惚れられるという、可愛らしいんだけど、もんのすごく厄介な状況。なんとかまとめようとするも、不良のビフも絡みに絡んで、ひ弱な父がビフを倒さなきゃいけないけど、いかんせんひ弱だし、……というドギマギ。タイムマシンの映画なのに、SFにとらわれずに身近な問題をやっちゃうのがかえって贅沢。
しかし、デロリアンで帰るミッションの方は、ケーブルが抜けて、引っ張って、抜けて、という、単純な動作ながら、チャンスを逃したら過去に置いてきぼりで取り返しのつかないことになる危機が畳かけてくる。
だから、雷が時計台に落ちた瞬間、ドクがケーブルを繋ぎ、それがデロリアンに伝わって「バーン!!」のシーンが、たまらなく「よっしゃー!」なんだ。
ホッとした良いテンションの中、未来から帰ってきたドクが、マーティと恋人を未来に連れて行く。そもそもは「2」の製作が決まっていない、また一波乱ありそうだぜ、というだけのオチ。続編の存在抜きで、たまらなくワクワクする終わり方。