福福吉吉

バック・トゥ・ザ・フューチャーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

5.0
◆あらすじ◆
高校生のマーティは友人の科学者のドクの発明したタイムマシン・デロリアンの実験に立ち会う。実験は無事成功するがデロリアンの燃料としてプルトニウムを入手するために騙したテロリストたちの襲撃に遭い、ドクが銃撃され、マーティは逃げるためにデロリアンで走り、そのままタイムスリップしてしまう。辿り着いた30年前の世界でドクと再会して元の時間に戻る術を得るが、その前にマーティが当時の両親の出会いを潰してしまったため、未来が変わる危機に陥る。マーティは両親を結び付けようと奔走するが...。

◆感想◆
再鑑賞です。

ストーリーのテンポが良く、多くのイベントが盛り込まれているにも関わらず全てのイベントが有効に機能しており、無駄のないストーリーで濃密な展開が楽しめました。本作は現在と30年前を舞台に描かれていきますが、現在から過去へと舞台の変化が観ていてとても楽しく、また、過去の出来事が未来に影響するというSF設定を非常に分かりやすく描いていて見事でした。

主人公のマーティ(マイケル・J・フォックス)は音楽でビッグになることを夢見るものの、自信もなく平凡に暮らしていましたが、親友のドクの実験に参加したことで、大きなトラブルに巻き込まれます。マーティはトラブルの渦中にいても愛嬌があってトラブルを楽しんでいる節もあって、観ていて楽しいです。また、「腰抜け」呼ばわりされると喧嘩腰になる性分であり、普通の男性ですがマーティの場合、それがマイナスになる部分が大きい気がします。

マーティの相棒であるエメット・ブラウン、通称ドク(クリストファー・ロイド)は自身の実験に全てを懸けており、本作のトラブルのきっかけになったのも実験に必要なプルトニウムを取得した結果なので、かなり困った人物です。しかし、ドクがマーティに対して信頼を寄せているところが多々あり、マーティが困ったときに助けになってくれる人物として親しみ深いキャラクターになっていて魅力的でした。

本作は1985年の現在から1955年の過去に戻ったことからストーリーを大きく動かしていきます。そこでマーティの父、ジョージ(クリスピン・グローヴァー)と母のロレイン(リー・トンプソン)にマーティが出会ったことで過去が改変し、マーティの存在が消失する危機に陥ります。文で書くと物々しいですが本作では写真一枚でマーティの危機をはっきりと分かるようにしていて、描写の上手さを感じました。ジョージがあまりにもへなちょこなので、本当にマーティの父なのか疑わしく感じて面白かったです。マーティはたぶん、母親似なのかな。ジョージとロレインは最初の現在のメイクから過去の姿へと統一性と変化のギャップという相反する特徴をうまく備えていて素晴らしいと思いました。過去のロレインが美しい。

そして、本シリーズの敵役であるビフ・タネン(トーマス・F・ウィルソン)は暴力的で欲の強い人物として憎たらしさを振りまいていて、キャラクターがしっかり立っていました。彼の存在がストーリー終盤の解放感につながるので、彼無くして本作の面白さはあり得ないです。

また、なんといってもタイムマシン・デロリアンのデザインがカッコ良過ぎる。外部も内部も観ていてワクワクさせるデザインで、ストーリーのSF設定の説得力を持たせてくれていました。一度でよいからデロリアンに乗ってみたいなあ。

とにかく全てが見どころの作品となっていて、何回観ても楽しいです。

鑑賞日:2024年3月18日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2023年5月5日)
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