Inori

イングリッド ネットストーカーの女のInoriのレビュー・感想・評価

3.0
スマホを片時も離さず、インスタの向こうの人に憧れ、そんなふうになりたいと思ってすごく努力するイングリッドという人の話。ただその方向が間違ってたりするだけで、がんばるというのは悪くないしそれで幸せならいいのでは?とも思ったりもするが、やはり苦しいのは良くない。こういう「憧れの人に歪んだ接近の仕方をして仲良くなるが結果的に上手くいかない精神的に少し病んでいる人」の話は多いので、そのジャンルとしてこの映画が何か特別に新しいことがあるわけでもなかった。ラストのオチも然り。ただ、インスタというプラットフォームが新しいのと、今の若者には多少なりとも感じられる憧れや苦しさが共感を呼ぶのかもしれない。

本当の自分みたいなものはネット上に載せるものじゃないし、相手側もそれが見たいわけじゃないんと思う。だから、自分を作ってしまうというのは自然なこと。それができないとか距離の置き方が分からないとか極度に疲れを感じてしまう人は、完全にSNSを使わないという方法しかないのかもしれない。

一番面白かったのは、ダンというキャラで、この映画で一番なんだかほっとできるキャラクターだった。もっと怒ってもいいのに。
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