のふのふ

さよなら、僕のマンハッタンののふのふのレビュー・感想・評価

5.0
〝粉々に砕かれた欠片は永遠にお互いを探し求める〟

大学を卒業して親元を離れたトーマスは、アパートの隣室に越してきた、W・F・ジェラルドと名乗る不思議な中年男性と親しくなり、人生のアドバイスを受けるようになる。そんなある日、父のイーサンが愛人と密会している場面を目撃してしまったトーマスは、W・Fの言葉に後押しされ、父の愛人ジョハンナに近づく。謎めいた隣人W・Fと父の愛人ジョハンナとの出会いを通して、それまで退屈で平凡だったトーマスの人生に変化が訪れる...。




わおっ!
マークウェブ監督大好きなんですけど、
ギフテッドからそんな経ってないうちから新作が観れるなんて嬉しい限りです
(*´艸`*)




さて感想ですが、おもしろかったーー!
大作だったアメスパもすごくおもしろかったですけど、やはりマークウェブ監督はこれくらいの規模の映画がすごい似合いますね!








今作の主人公は青春時代を経て、大人になる狭間でもがく青年トーマス。
ある日、父親の不倫現場を目撃してしまい
相手の女性に父と別れを迫るうちに恋に落ちてしまいます。
そこからまぁトーマスは大人への背伸び無理しちゃってどんどん痛々しい感じになってくわけなんですが...


ただそこからはマークウェブ監督の十八番!
立ち止まっている主人公がもがきながら一皮むけ大人になっていく魅力的な青春映画に仕上がっていました!!


主人公がぼんくら青年、テーマ的にもマイベスト映画「(500)日のサマー」っぽいなーと最初思っていました...
ですが!!!
今回は500〜とは違い、人生の挫折や罪悪感を背負ったままの渋い大人たちに囲まれていることでより味わい深かったです



出てくる大人は皆【喪失感】や【罪悪感】を抱いているのがとても印象的でした。
その理由が終盤明かされていくのですが、展開がどんどん予想外の方に話が進んでいって驚いた!


特にジェフブリッジスさん演じるW.Fというキャラクターにはグッときてしまいました!
終盤、バーで彼がトーマスにある告白をするのですが、ジェフブリッジスさんの最高の演技も相まって普通に劇場でウルウルしてしまった( ;∀;)
(他にもピアースブロスナンさんのこれまた渋い演技をはじめ、演じられてる俳優さんは全員演技がすごくて見応えありました!)






そして、大きくなるにつれ魂をなくし、退屈になってしまったと語られるニューヨーク。
やはり主人公トーマスと重ねてしまいます。
物語の着地が素敵だっただけに実際のニューヨーク住人の方の感想も聞いてみたいなーとか思ったり(´▽`)
(それと、何とな〜くウディアレン映画っぽくも感じました)






あと、
マークウェブ監督はMV出身ということでやはり音楽の使い方のセンスが今作もビンビンでしたね!
今回は本作のタイトルの元ともなったサイモン&ガーファンクルやジャズがすごい印象的でした!
やっぱいいですね〜、マークウェブ(´▽`)
と、まぁ歌詞を完全に理解せず観てるので
お前の観方そこどうなんだというとこはありますが、そこはまぁ...あの〜はい|ω・`)





また、今作は映画なんですが、
小説を読み進めているような不思議な感覚になるシーンが多かったですね
グッとくる台詞も多かった!
途中にあったぐでんぐでんの酔っ払いオヤジの迷スピーチ...好き!笑


以上、「さよなら、僕のマンハッタン」!
〝人生に身を委ねろ。窓を見つけて、飛び出せ〟
大丈夫。まだやり直せる。、
そんな優しい余韻に包まれる素敵な映画です。
そして、もっと歳を重ねてから見直してみたい一本でもありました(*´艸`*)


マークウェブ監督は大好きなので点数は緩めです、と言うところですが、
今回は本当に5点満点です!
超オススメです!
のふのふ

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