MrMINE

さよなら、僕のマンハッタンのMrMINEのレビュー・感想・評価

3.4
ニューヨークの街というのは、どうしてこんなに映像に映えるのだろうか。
ポスターを見ただけで、この映画を見たいと思わされる不思議な魅力がある。

そして、ニューヨークを舞台にした物語は、人間関係を描いた物語にも深く結びついている。

「(500)日のサマー」のマーク・ウェブ監督作品。
監督曰く、「(500)日のサマー」よりも先に作りたかった思い入れの深い作品だという。
このパステルカラーのような、優しくもはっきりとした色調で描かれる雰囲気の映画大好きだ。

大学を卒業した主人公は、職にも就かず進路未定のままだった。
愛する人に告白もできず、悶々とした毎日を歩む中で、父親の浮気現場を目撃する。そこで彼は浮気相手と接触を試みるのだが・・・

社会人になる瀬戸際に抱く感情というのは、非常に貴重なものであるように思う。
少年期から思春期にかけて抱いていた大きな夢が、少しずつ廃れていき、社会への入口を開く直前では、このままで本当にいいのだろうかと不安に駆られる。

夢の住人(=主観的にしか見れなかった自分)が、現実の世界へ飛び出ていく瞬間を味わえる時期。(=客観的に自分をみるようになる瞬間)
今まで偉大だとおもっていた親の姿も、いち人間、いち男、いち女だということに気づかされていく時期でもある。

誰しもが経験する悶々とした気持ちを描いた若者の映画。
詩を詠むような感覚で見れる映画です。
MrMINE

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