イチロヲ

女高生偽日記のイチロヲのレビュー・感想・評価

女高生偽日記(1981年製作の映画)
3.5
グラビアモデルとしてスカウトされた女子高生(荒井理花)が、性を商売にした世界へと取り込まれてしまう。ヌードモデルの世界を幻想譚のように描いている、日活ロマンポルノ。写真家・荒木経惟(あらきのぶよし)が監督を務めており、絶版になっているメイキング本は、古書店にて高額が付いている。NCP共同製作。

内容は「写真家が監督した映画」の典型パターン。物語自体は至って平板なのだが、職業監督がやらないような突飛な演出があちこちに挿入されるため、それなりのテンションを維持させることができる。

冒頭部は、現実世界と被らせるメタ演出になっており、アラーキー本人が映像に登場して、主演女優と一緒に(やっぱり)風呂に入る。本編のカメラマン役は俳優が演じているが、アラーキー自身の投影を意識するのが正解だと思われる。

「グラビアモデルと売春婦は表裏一体」というテーマを含ませるあたりはさすがだが、肝心の濡れ場の演出は平凡そのもの。女体を被写体にしたときは、やはり静止画像専門の写真家であることを痛感させられる。
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