ストレンジラヴ

バグダッド・カフェ 完全版のストレンジラヴのレビュー・感想・評価

3.7
「皆仲良すぎるわ」

夫婦喧嘩によって砂漠のど真ん中で車を降りたドイツ人女性・ヤスミン。経営はどん底、仕事をしない夫を追い出したものの子育てと仕事に追われる日々に消耗する「バグダッド・カフェ」女主人・ブレンダ。ヤスミンは「バグダッド・カフェ」に隣接するモーテルに宿泊するが、持ってきた荷物は全て夫のものだった。やがて暇を持て余すヤスミンは勝手にカフェやモーテルの仕事を手伝うようになる。次第にブレンダの家族や画家・コックス、女彫師・デビィ、ヒッチハイカー・エリックとも打ち解け、夫の荷物のなかに入っていた手品セットを使ううちにたちまち人気者となるのだった...。
なんとも不思議な話。自分はそこまでだったが、病みつきになる人は病みつきになるんだろうね。アメリカの砂漠を舞台にしながらも、どこか西ドイツの匂いが終始漂う作品で、少しだけ心が暖まった。もう少し’80年代の空気とインディーズ感を除けることができたら、’90年代生まれの自分にとっても大好きな作品になり得たかもしれない。ただ、特に最初のうちは意味が分からず、先述のインディーズ感が鼻についてしまい「もっと素直に撮ればいいのに」という感じと、もう少し物語に説明が欲しいと思った。馴れるまでに少し時間がかかる、そんな作品。