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バグダッド・カフェ 完全版のkenkenのレビュー・感想・評価

3.8
前は途中でリタイアするくらい退屈だったけど、改めて観直すと意外と飽きない。冴えない人々の何も変わらないように見える日々は、意外と新しい事が起こっていて楽しい。静謐さは無く、ストレスが溜まる瞬間も割とあるけど、観ていて癒される。

でもこの映画は終盤に違和感が膨らんで行く。「Too much harmony」と言い残して出ていくデビーや、最初の面影は微塵もないカフェの様子や、ジャスミンの最後の台詞。本当に皆んな幸せ、大団円なのかい?関わり合い作用していく事で人も場所も変化する。ある人にとっては居場所が生まれるが、別の人にとってはそうではない。一抹の寂しさが残っているから、この映画は心に刺さるんだと思う。
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