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3つの心 あのときもしも/ラブ・トライアングル 秘密のakrutmのレビュー・感想・評価

4.8
数年前に見た、私のお気に入りの映画のひとつ。なんと言っても、出演している女優が豪華。カトリーヌ・ドヌーヴの娘役に、シャルロット・ゲンズブールとキアラ・マストロヤンニ。キアラはカトリーヌ・ドヌーヴ(とマルチェロ・マストロヤンニ)の実の娘であるし、劇中で夫となるマルクを演じるブノワ・ポールヴールドとは実生活でもパートナーという関係で、リアル家族にシャルロットが一人飛び込んでいるという感じが面白い。どう見てもモテそうにない、ただのおっさんであるブノワ・ポールヴールドの、どこか味のある演技も記憶に残る。個人的には、この映画でブノワ・ポールヴールドに注目するようになったが、本職はコメディアンであるが、結構いろいろな映画に出演していい味を出している。

本映画のテーマは「もしも (if)」。仕事で地方都市(撮影場所はヴァランス)に来ていたマルクは、パリへの終電に乗り遅れてしまうが、それがきっかけでシルヴィという女性に出会う。二人は恋に落ち、パリでの再開を約束する。約束の日になって、シルヴィは待ち合わせ場所のチュイルリー公園でマルクを待つが、マルクは待ち合わせ時間に遅れ、二人は会わないままに関係が消滅してしまう。その後、マルクはソフィという女性と出会って結婚するが、実は彼女はシルヴィの妹だった…というストーリー。ポイントとなるのは、チュイルリー公園での待ち合わせに遅れそうになって急いで車を運転するマルクが、心臓発作に襲われるというシーン。これを覚えておくと、ラストシーンが違って見えてくるので、これから本作を見る人はぜひ頭の片隅に置いて観賞すべし。そういう意味では、なかなか洒落た映画だと思うし、映画の所々に挿入される胸騒ぎを覚えるような音楽も臨場感を高めてくれます。
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