にゃんこむ

日本百年のにゃんこむのレビュー・感想・評価

日本百年(1974年製作の映画)
3.0
1974年の日本のドキュメンタリー
当時の人々が過去100年まで遡る。
2019年現在からすると1974年ですら45年前なので、かなり昔に作られたドキュメンタリーだということがわかります。

昔の映画という感じのはきはきとして独特のイントネーションを持つ威厳のあるナレーション。
当時の白黒の映像や新聞の写真など出てくるのですが、古いものは状態が良くないので見づらいことこの上なしなのは残念。

明治時代の日本は、先進国になりアジアから抜け出そうと植民地経営や、戦争に手を出します。
このあたりの話は、最近諸外国問題が活発になってきているので、現代の人々も意識することとなったでしょう。
なまじ小国の日本が日露戦争で勝ってしまったために自信をつけた、勢いを増していきます。同じころ南極探検隊が南極へ向けて探検隊を派遣したり、義務教育に力を入れ女性でも教育にありつけるようになったり、物事が進んでいった時代ということがわかります。やっぱり、後進国と先進国を分けるのは子供の教育にかかっていますよね。

時代は変わり大正。
世界情勢が変わりつつも、この頃はまだふんどし姿で潮干狩りを楽しむ人々などもいる頃。
大正時代で一番の大事件と言えば関東大震災。当時の大火事の映像なども紹介されているのですが、これも白黒で、さらには映像の状態が悪いのでとても見辛い……。遺体の映像などもあるので、そこは画質が悪くて鮮明でないのは救いでしたね……

昭和になりスピード時代という言葉がでてきて、全てが能率的になって行きました。
昭和初期の映像なのにこれまた画像が悪いので白くぼやけているのが残念。
昭和初期、日本は満州事変で連戦連勝。国内に貯まる不満を解消するのが戦争というのが悲しいですね。
南京虐殺の人数は諸説ありますが、この作品は日本のドキュメンタリーなのに中国側が主張する30万人という数字を取り入れているのが意外でした。

後半はひたすら第二次大戦の悲惨さと政府が民間人に嘘をついていた事を伝える内容。
1974年制作ということで、まだまだ戦争の記憶が生々しく残っている時代ですよね。
このあたりの内容は、小学校の社会科で勉強するような、戦争って悲しいんだよ、やっちゃいけないんだよ、というような反戦を訴えるものでした。
映画としてはラストの展開はなんだかなぁと思うのですが、社会科のビデオだったなら、仕方ないかなという内容でした。
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