バクチャン

ラッカは静かに虐殺されているのバクチャンのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルがかっこいいな〜で観始めた。
そんな理由で観るな。

Xで話題の「みいちゃんと山田さん」って漫画で「学生の頃は虐殺動画を観た時にうわグロいって思ってただけだったけどそのずっと後に日常と暴力は地続きなんだって気付いた」みたいな描写があるんだけど観た後がすごくそんな感じ。

世界情勢に詳しくない状態で観たので最初どこか現実感がない状態で観てたんだけども、「あ、同じようなダウンジャケット持ってるな……」とか「あ、〇〇あげるからついておいでって子供誘拐のよくある手口だね……」とか考えながらぼけーっと観てたら急に「あっ、これ異世界とかじゃなくてガチ現実で起こってることなんだ」って思って背筋が伸びる、そんな映画でした。

家族とか友達の立場になったら「そんなことはやめろ」って言いたくなるんだけど、最後に言った通り、ここで止まったら「勝つか、皆殺されるか」のところまで来ちゃったんだよな。しかも絶対に世界のために必要な活動。英雄だって讃えたいけどそうするのも心苦しい。背負う荷物が重すぎる。
「空爆では思想は殺せない」とか印象的な言葉は多いけど、「息子は欧米人になる」とか「今ラッカに帰る家はあるのかな」とか「教える子供がいたら教師に戻るよ」とかそういう、自分の未来を考えたような発言がすごく胸に残るのだった。
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