たろ

ラッカは静かに虐殺されているのたろのレビュー・感想・評価

4.3
イスラム国に支配されたラッカの現状を伝える市民ジャーナリスト集団RBSS。
自分の人生、家族までも犠牲にしながら、故郷の惨状をSNSを使って世界に発信し続けている。
彼らとISとの戦いを、誰もが理解できるシンプルな構成で描いたドキュメンタリー。

思想は一度散らばるとゼロにするのは不可能で、政治の隙間や人間のほころびに漬け込んで行く様が生々しくそのまま映されている。
純粋な子供達が利用され、ISが正義という信念が生き続ける恐怖。

冒頭、この映画の表彰式から始まるんだけど、平和な世界しか知らない人たちの悪気のない笑顔や言葉が何より残酷だった。
自分とかけ離れたその世界の異常さは、とても飲み込めるものではないけど、知っておくべき映画だと思う。
(本物の惨殺シーンが数カ所あるので観る人は注意。
たろ

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