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アンダードッグ 二人の男のkuuのレビュー・感想・評価

アンダードッグ 二人の男(2016年製作の映画)
3.5
『アンダードッグ 二人の男』
原題두 남자。  Derailed.(直訳脱線って、脱線しまくりの映画やん)
製作年2016年。上映時間92分。

K-POPグループ『SHINee』ミンホ(かなり男前)が映画初主演を務め、マ・ドンソク(マブリーがケンカはべらぼうに強いがダメな中年役)と共演、サイコパス役のキム・ジェヨンって俳優さん従兄弟の健ちゃんにやる事なす事顔までそっくり(関係なくすいません🙇‍♂️)。
韓国製クライムアクション。

ソウルで路上生活を送る不良青年ジニルは、恋人ガヨンや仲間たちとともに盗みを繰り返して日銭を稼いでいた。そんなある日、ジニルはガヨンが仲間の生活のために自らの身体を売ろうとしているのを止めるが、成り行きから屈強な男ヒョンソクの高級車を盗んでしまう。
ヒョンソクに捕まったジニルとガヨンは多額の弁償金を負わされ、ガヨンはヒョンソクの経営する違法風俗店で働くことに。
ガヨンを守るべく奔走するジニルだったが。。。

今作品は、社会挫折しつつある4人のストリートチルドレンは、絶望的な状況から逃れようとするわずかな試みさえも、これまで以上に困難な状況に追い込まれちまう。
暗くて、
厳しくて、
正直、彼、彼女たちの行動をみてたらもう少しエエやり方ないんかと、観ていてストレスがたまりました。
しかし、それは、多くのキャストが素晴らしい演技を見せてる故に、このヤバくて、結構ハラハラしたし、唇を噛み締めながら、また、画面にボヤキながら、転落劇の世界にすんなりと入り込んでる自分に気がつくとエンディングを向かえてた。
10代の若者たちが苦境にありながらも楽しんでいるところから、彼らの世界全体がひっくり返るまで、この作品のペースはよくできてるかや。
投げかけられた新たな問題を必死で乗り切ろうともがく姿は、仲間になったようで焦りさえした。
荒涼とした、痛々しい作品やったけど、彼らのために心が痛み、ところどころで泪が滲み、飽きることなく観れました。
サイコ野郎ソンフン(キム・ジェヨン)は演技が巧みで完全にイッテたって感じたかな。
彼のニヤリ顔をおもいだしちゃいます。
また、キム・ジェヨンだけではなく、ほとんどの俳優の演技をもっと見たいと思ったし、今作品で彼らの作品群を機会があれば観ていこうって思った。
トラウマとなる過去と絶望的な未来に挟まれた子供たちは、人生が完全に脱線しており、それを正す可能性はほとんどない。
家族は裏切り、
愛は失敗し、
友情は崩壊し、
親切にすることは愚かであるが、腐敗に満ちた世界では、それが残された唯一のチャンスなのかもしれないなぁ。
主人公が後半マ・ドンソクに『ありがとう』と云ったセリフはドキッとした。
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