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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結のTLsのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 ちょっと昔のアクション映画にアメコミ映画を混ぜた映画。正直な感想としてはエアー版と変わらないが、十分楽しめた。

 冒頭では新入りサヴァントの目線からスーサイド・スクワッドの簡単な紹介があり、こういった点は非常に親切で尚且つテンポを落とさなかったので良かった。しかし、その場面で登場するメンバーは殺すために作られたキャラクターであり、エアー版の名前と違って人が死なないという批判に対する安易な解決策だと感じた。しかし、そこで登場するキャラクターのデザインや造形は非常によく世界観に奥行きを感じることができたので、そこまで不満点にはならない。ただ、各媒体での宣伝でメインキャラクターが誰かわかっているので彼らを殺したところで緊張感を得ることはできない。また、メインキャラクターもエアー版を彷彿とさせるものが多く、そこまで目新しさはなかったが、アマンダがより凶悪になっておりスーサイド・スクワッドをより簡単に切り捨てたり、裏切りを誘発させつなどスーサイド・スクワッドを統括するものとして相応しい活躍を見せた。

 ストーリーは既存のアクション映画の焼きまわしではあるものの、それは監督が敢えてそうしたと思うのでそこまで気にならなかった。とりあえず、グロ、音楽、会話でこのありきたりな物語を色付けしており、そういった意味では楽しむ点がかなり分かりやすくて助かった。難しいことは考えずに目の前の血潮と爆発を楽しめばいい点も往年のアクション映画のようで良かった。序盤でメンバーを一気に全滅させ、回想シーンで少し顔を出させる演出は彼らが使い捨てだということをより強調させキャラクターに愛着を沸かせるものだった。この点は往年のアクション映画のそれとは違い、アメコミ映画だからこそできたことであり流石だと思った。

 悪い点は予告とメインビジュアルで大体誰が生きて、死ぬかがほとんど予想できてしまうことである。各キャラクターのポスターを作るといった努力はしていたが、予告編となると難しい。このせいで誰が死ぬかわからないというスリルが半減していた。終盤でも数人死ぬが、普通のアクション映画でも味方が何人か死ぬのでそこまで驚きはなかった。

 期待以上の出来ではなかったがしっかりと楽しめた。今上映している映画で何を見たらいいか問われたら間違いなくこの作品をおすすめしたい。あともう一つ、サントラはエアー版の方が好きだった。HIPHOPが好きなので。
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