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世界で一番ゴッホを描いた男のakiのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

お仕事映画@中国。

狭く蒸し暑いアトリエで20年間ゴッホの複製画を描き続けている男性。本物のゴッホの絵に焦がれて遂に海を渡り、現地で自身の描いたレプリカの評価やゴッホの足跡に触れる中での表情の変化がとても切実で、迫るものがあった。

ヨーロッパの取引相手はかなり足元を見て交渉しているなと感じたけど、それでも生活の為に厳しい環境下で複製画制作という仕事をしなければならないのが現実だよなと思う。ゴッホ美術館で複製画制作を請け負っていると話したとき、あなたのオリジナルは?と聞かれて愕然として酒に溺れる気持ちも分かる。

それでもゴッホの絵に感動し、お墓にタバコを供えて興奮状態のまま帰国。…そこまでは良かったんだけど、自分のオリジナル作品が50年後100年後には認められるかもしれないっていうのは陳腐だなって思っちゃうのは冷たいかなぁ。芸術家ではなく職人、というのは感傷や呼び名ではなく現時点では真実だ。

ゴッホの心情を推察・研究する人はたくさんいるけど、この人はきっとゴッホに自分の気持ちを聞いてもらいたくてオランダまで行ったのかな。

世界の複製画制作の現場という新しい情報を仕入れることができた。
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