玉生洋一

巴里の女性の玉生洋一のネタバレレビュー・内容・結末

巴里の女性(1923年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

まんまとしてやられた。
チャップリンの映画だからありきたりなつまらない話ではないことは保証されていたというのに、まんまとしてやられた。

共に親に結婚を反対されている男女。
パリに駆け落ちをする話かなと思っていたところ予想外の事件が。

意思の疎通に齟齬があった男女。
パリで再開して、すったもんだの挙げ句に結ばれるという展開だろうと思ったら、そう単純でもなさそうな展開に。

金持ち男の愛人として生きるか、貧乏画家の夫になるかの選択に悩む女。
これはもう貧乏画家と結ばれてハッピーエンドだろうと思っていたら
お母さんの反対に耐えかねた貧乏画家の不用意な言動を女が立ち聞きしてしまったことで2度めの勘違い。

まぁその誤解が解けてハッピーエンドになるのだろうと思ってみていたら
男がけん銃を用意するシーンになり驚く。
女を狙っているのか、金持ち男を狙っているのかとヒヤヒヤさせておいて
金持ち男が無神経にテーブルに男を招く場面へ。
そして訪れる驚愕。

そこが75mあたり、まだ残り25mくらいあるから
これからどう展開してどう決着をつけるのか俄然画面に釘付けに。
母親が復讐するか、女が自死するかどっちかしかないんじゃないかともう顔面蒼白で見守っていたらまさかまさかのエンド。
しかも、映画チャンネル特有の、番組枠の後半は十数分CMだけという罠だったためすぐに終わってしまった。

チャップリンと映画チャンネルにまんまとしてやられてハラハラドキドキした作品だった。
とにかくチャップリンは侮れない。

あと、2階に簡単に上がれる塀と家屋は防犯上よくないと思う。
大長編「のび太の恐竜」のしずちゃんの家もそんな感じだったけれど。

※2024年に数年前のWOWOWの録画を視聴。