みずきち

辛口ソースのハンス一丁のみずきちのレビュー・感想・評価

辛口ソースのハンス一丁(2013年製作の映画)
3.0
なによりの優先事項が家族であることや、家父長制や、ウェットでお節介な人間関係などなど、東京でインディヴィジュアルな生活をしているとピンとこないことばかりで、大変アラブ的だと感じられた。作中に登場するドイツ女子が「素直になるしかないよ」とアドバイスしていたことに尽きるが、ちゃんと本音を話す、そういう一見簡単なことも難しくなってしまうセンシティブさがほどよくチャーミングに描かれていたと思う。
父娘ともに強情張ってただけで、父も実際は自分と違う多様な価値観をもうとっくに受け入れていたのだという話だが、なんか意地の張り方が本当にしょうもなすぎて、じゃあほんとにこれまでのくだりなんだった?とか、それって頑固って問題じゃなく毒親みたいなもんじゃない?みたいな肩透かしが残るが、まあ近すぎる家族のご愛嬌ということで…と自分を納得させながら帰った。
イスラーム映画祭ということで移民アイデンティティみたいな話になるかと身構えていたが、極めてライトに家族感情の本日を捉えた、アラブとかドイツとかあんまり関係ない作品で気楽で楽しかった。
「ドイツ人のアリ」かっこよかったなー。
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