伊達巻

辛口ソースのハンス一丁の伊達巻のレビュー・感想・評価

辛口ソースのハンス一丁(2013年製作の映画)
3.7
重みのあるテーマだけど軽やかさがあって楽しく観れる。こんな映画ってそんなにないだろうな。自分のために恋愛をしたり、誰かのために恋愛をしたり、なんのために恋愛をしているのか分からなくなったり。何度も突き放されて突き放して迷子になる。冗談のきかなくなる瞬間というのがあってそこでちょっと泣きそうになる。嘘も愉快な話だけにわざとらしさのないそういった演出が印象深かった。「ちゃんと後始末をしなきゃね」がおもいっきりぶっささった。いくら文化といえ家父長制の権化みたいな父ちゃんがいて普通ならそれなりの描き方が為されるのだろうけどこの映画ではあくまで「私の父」という率直な描き方をしていて、そこに眼差しのやさしさを感じる。観ててもそんなにイライラしないし、むしろ笑えちゃうから不思議だった。二つの世界、統合でも分断でもなく、二つの世界を同時に生きるということ。全く知らない映画って面白い
伊達巻

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