ベビーパウダー山崎

恍惚の朝のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

恍惚の朝(1972年製作の映画)
3.5
加藤彰は過去と折り合いをつけたり決着を目指して進んでいくような定番の物語には興味がない。ただ過去があり今がある。犯した過去と道連れに生きていくしかないという達観、孤独と悲哀、加藤彰の映画は誰にも寄り添わない(だから素晴らしい)。女性が無理やり挿入されるくだりで窓ガラスに穴が開く、部屋を出ていく際には二階の窓から花瓶を落として割る、台詞や行動ではなくビジュアルでフィルムに傷を残していく、これが加藤彰。