イチロヲ

オフィスラブ 真昼の禁猟区のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
旅行代理店に従事するシングルマザーの秘書(赤坂麗)が、会社の重役や取引先の外国人を相手取り、女を武器にしながら世渡りしていく。セックスを利用しなければ生きていけない女性の人生模様を描いている、日活ロマンポルノ。

他者からの束縛を拒否するキャリアウーマンが「過去の男を上書きしていく生活」を繰り広げる。社内の上層部に複数の愛人が混在しており、その下半身事情をひた隠しにしながら、淡々と仕事に勤しむ。これが私の生き方だからと、我を貫き通している。

主人公は、かつて子を授かった元カレ(草見潤平)と、上司から叱責されてばかりの若手社員(石井茂樹)を天秤に掛ける。とりわけ、脆弱な若手社員の描写が痛烈であり、「あなたは女に幻想を視ているのよ!」と一喝される場面が気持ちいい。

主演女優・赤坂麗の凛とした佇まいと女神像のようなボディラインが、性の伝道師としての説得力をもたらしている。含蓄のある台詞が多く、ラストシーンでの「ママはお花に水をあげていたのよ」が至極名言。
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