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ナインイレヴン 運命を分けた日のytのレビュー・感想・評価

3.7
2001年9月11日、場所はアメリカ合衆国、ニューヨークに存在した、ワールドトレードセンタービルノースタワー内のエレベーター。何気ない日々を送る男女5人が、突如起きたテロに巻き込まれ、エレベーター内に閉じ込められてしまった、そんな出来事を描いた作品。

面白かった、、と言うべきなのだろうか。いや、実際にあったかもしれないという半フィクションだと思うと、ゾッとする。実際にこのような状況に陥った人はいるだろうし、その人たちの事を考えるだけで胸が痛くなる。だからこそ、ここは面白かったというより作り込まれていた、で収めたいと思う。

序盤、中盤と物語の軸を担うキャラクターたちの人生や出来事などが描かれ、やがてエレベーター内に移り、テロに遭遇してからも中で話すシーンが多い。そのため、淡々とした時間が流れることが多かったが、終盤の一人一人の愛の形や生きたいという形が緊迫した中鮮明に描かれていて、どんどんのめり込むことができた。

特に、終盤の消防士とチャーリー・シーン演じる主人公の救助シーンは言葉が出ない。本当にどちらも命がかかっていると感じるし、どうなるんだ、と体を乗り出すほど良い演技をしていた。

テロの話というよりかは、テロに遭遇した被害者の行動が、私たち被害を受けてない人に対してどう伝えて、どう次世代へ繋げていくか、、という話。男女5人とはいえ、その中の一人一人が助かるために色々な行動をしようとする。もし自分がこの場にいたらどうしただろうか、と考えさせられた。

その時代を生きていた訳ではないが、物心がついて見た動画の、ツインタワーに航空機が衝突するあの瞬間は本当に衝撃的だった。この映画は、そんなあの一瞬に、生きようと必死に願って諦めずに頑張った沢山の人たちを忘れないという意味でも、大変大事な映画である。

このことを忘れずに、私たちは次の世代へこの話を繋いでいかないといけない。もう二度とこのようなことが起きないために。
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