このレビューはネタバレを含みます
内戦により故郷を追われ、家族で唯一残った妹とも生き別れ、流れ流れてフィンランドで難民申請するも却下。審査官の同情は得てもどうにもならないお国事情。「自分の事は関係ない!」と必死で妹を探そうとする主人公に、ヘルシンキの心有る市井の人々がさりげなく寄り添い、ついに願いはかなう、も、本人は移民ヘイトの餌食となり、、、
それでも満足気な表情のラストシーン。
残酷な運命でも彼はきちんと「生きた」。
妹のセリフ「死ぬのは簡単、わたしは生きたい」が印象的。
彼を助けるレストランオーナーの、人生をリセットしようとするサブストーリーもジワる。
辛い運命を受け入れながらも生きようとする人たちを、静かで粋な目線で描いた良作だと思った。