明石です

希望のかなたの明石ですのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
5.0
今月いっぱいやってる出町座のカキ·カウリスマキ特集に朝から友人と足を運んで鑑賞。家族を殺されシリアから密入国してきた難民の若者と、ひょんなことから彼を雇うことになる新参のレストラン経営者の男。温かい人間模様にくすりとくるユーモア、台詞を極力排し、かわりに場面場面を短く切り取りテンポ良く見せるカメラワークで、登場人物の心情や行間の出来事を鑑賞者に察せさせる演出に徹している。こういう、ついて来れる人だけついて来ればいい、的なスタンスかなり好き。

ことば少なな主人公が作中で二度だけ長い台詞を喋るシーンがあって、その二つともに胸を掴まれた。前者は、彼がフィンランドに流れ着くまでの物語を入国審査係に語る際、もう一つは、警察から身を隠すために犬を抱いてトイレに隠れたあとの台詞(普通に映画館の暗がりの中で笑っちゃった)。映画作品として文句なしの満点で、この後の人生で何度も繰り返し観たい。今年観た映画のベスト10入り早くも間違いなしかも。

—好きな台詞
“You might be wiser, but I’m older.”「君の方が賢いかもしれないが、私の方が歳を取ってる」
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