Rena

希望のかなたのRenaのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
3.3
難民問題を題材にした映画

セリフのないシーン
巧妙なショット
俳優陣の佇まい
まるで行間のような絶妙な間

ところどころで挿入される、フィンランドのおじさんが歌うロック?のような味のあるサウンドに、思わず聞き惚れてしまいました。
カッコ良さの中ににじみ出す哀愁
これは、酸いも甘いも噛み分けた人にしか出せない雰囲気ですね。

主役のシリア人青年カーリドを演じたシェルワン・ハジ、いいですね。彼の演技に見入ってしまいました。
カーリドは何ヵ国語か話せるようでしたが、実際は母国語しか話せない人もいるだろうし、他国にたどり着いたとしても、長年の生活習慣とは異なるその国の文化に適応しなければならないことを思うと、なかなか緊張は解けないですよね...

偶然の出会い 一時の衝突
やはり、嘘偽りのない本音や積もった想いを本気でぶつけると、必ず相手の心に届きますよね

どんなにもがいても、どんなに真摯な態度で臨んでも、どうにもならない事がある
そういう時に触れる憐れみではない真の優しさは、本当に温かい
小さな優しさの積み重ね
そして、そこからうまれる信頼関係は何ものにも代え難い

シリア人青年カーリドとレストラン経営者ヴィクストロム
偏見に満ちた世の中で起こる、一握りの運命的な出会い。境遇は異なる二人ですが、シンクロする部分、ありますよね。

責任を持って手を差しのべることの大切さ、また "出会い" について、改めて考えるきっかけとなりました。
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