ともしび

名もなき野良犬の輪舞のともしびのネタバレレビュー・内容・結末

名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

最後に殺した時の、手に伝わってくる生温かさや息を永遠に忘れられないんじゃないだろうか。銃弾を全て使い切った後に素手で殺しに行くのはお前だからだよ。
ーー殺されるならお前だ。

一緒に逃げるところまで夢見て。そんなの出来すぎた話だって分かってるのに信じてみちゃうの馬鹿みたい。滑稽だよ全員。その滑稽なところが可愛くって苦しい。あーあ、信じちゃったね。すべて誤魔化すことだってできたのにさ。

ネクタイを締めてあげるシーン胸キュンすぎる。好きな人のお世話をしたくなる感じ。やっぱ俺がいないとダメじゃねえか、とお互い思わせ合っている。その後のエレベーターの中で何か持っていないか探るシーンはもう完全にセックスでした。
ーーお前じゃないとダメだ

「生きるためにこんな生き方をしている」
院進諦めた就活で、克服する気もない過去を根掘り葉掘り聞かれ、労働へ覚悟せざるを得ない時に泣いちゃうよ。「こんな生き方」なんて言わないでよ。仕方ないじゃんこれしかなかったじゃん。精一杯やってきた、そう思わないとやってられないこともある。すべては生きるためなんだから。なんで生きてんだろ。こういう映画に出会う楽しさが忘れられなくてただ過ごしてみてるのかもしれない。

後ろから来る。ふいに予想もつかないタイミングで始まるし終わる。あっけない。