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サハラのLCのレビュー・感想・評価

サハラ(2017年製作の映画)
3.5
面白かった。

弱っちい除け者として扱われていたコブラとサソリの仲良しコンビが、他の場所(オアシス)へ行こうとすることで動き出す物語。

主人公たちは Dusties と呼ばれていたけれど、これは「埃まみれの奴ら」「つまらない、価値のない奴ら」という意味。嫌われ者で、身分の低さも窺える。
オアシスには身分の高いヘビがいて、ダスティとの立場の違いが見えたりするんだけど、広い世界を見ようとオアシス脱出を図るヘビもいた。主人公は、そんなヘビと恋に落ちる。
アラジンとジャスミンを何となく想像してしまうね。
本作では、ジャスミンはお城ではなく、ヘビ使いの籠に閉じ込められるんだけれども。そういえば、ヘビ使いは何となくジャファーに似てるかも。そうでもないかも。

主人公たちは人質と共に砂漠をひたすら進んでいくのだけれど、砂と砂と砂、以外にも色々な景色を見せてくれる。
特に Glowwarm たちは面白かった。土蛍、というのかな。小さくて、発光して、星々の知識があって、ニコニコしている。いやあ怖かった。でも天体ショーは素敵だったな。
その後の場面で1匹のサソリが他のサソリたちに「アウストラロピテクスの頭蓋骨を見られるよ」なんて声をかけているけれど、ロマンを感じられる知識に触れることが好きな生き物が多いのかな。受け答える方は然程興味なさそうだったけれども。

ヘビ同士のダンスバトルはとても楽しんだ。プリマドンナはストリートダンスも嗜んでいる。面白い。ヒップホップもワルツもお手のもの。わからんけど。
ファイナルバトルも楽しかった。ヘビに噛まれても動じないところは流石ヘビ使いなんだけど、砂嵐の中であれだけ動けるのは元気にも程がある。ヘビの毒だけじゃなくて、砂にも風にも強い。砂嵐の中であんなに動いたら、目耳鼻のみならず、肺の中まで砂まみれになりそうだ。
そして花粉の誘惑に勝った兄の、何かスイッチ切り替わった感はかっこいい。

ギスギスしたり、何となく分かり合ったりして砂漠を進む主人公たちや、囚われた先で夢を持ち続けながらも、現実逃避せず受け入れるところは受け入れて戦う時は戦ったお姫さまたちも、みんな「 Happy Ever After (その後ずっと幸せに過ごしましたとさ)」であるといいな。よろしく頼む。
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