あなぐらむ

看護婦日記 獣じみた午後のあなぐらむのレビュー・感想・評価

看護婦日記 獣じみた午後(1982年製作の映画)
3.8
「インセプション」の先を行く?黒沢直輔監督のホラーポルノ。
子宮に入れる事で夢を映像化して人を操れる装置を巡って、レズ女医の復讐を描く無茶な宮田雪の脚本を黒沢監督は様々なイメージのコラージュを短く繋いで、悪夢的ムードを作り出す。堅実な風間舞子の演技艶技が光る作品。
準主役に初々しい美保純、ピンクから山地美貴(可愛い)、ベテラン川村真樹。絡みの充実度は合格点。
鈴の音が不気味に印象に残るほか、ジョン・カーペンターみたいな音楽も楽しい。最後でオカルトに飛んでいくのは時代的なもんかしら?

黒沢監督はセット撮影であることを最大限に活かして、変幻自在な映像表現を見せる。田中登監督みたいな感じ。
赤と青という後の監督作にも見られる色への拘りも。
炎が最後を飾るのは「ズーム・イン 暴行団地」と同じ。映画にハクがつく。