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ストリッパー殺人事件のhorahukiのレビュー・感想・評価

ストリッパー殺人事件(1987年製作の映画)
3.5
なんで私がストリッパーに!?

殺されたストリッパーが所属していたストリップ劇場に潜入捜査するために無理矢理ストリッパーデビューさせられた女性捜査官が、最初は嫌々だったのに段々とノリノリになっていって転職を真剣に考え出すジャーロよりなミステリー。

レンタル開始したので取寄せして借りてきました。ストリップシーンが合計15回ほどあるという尺稼ぎ感と、ロジャーコーマン製作なだけあって低予算感が溢れ出ていましたが、お話は面白かったです。ちなみにデパルマの『殺しのドレス』のパクリ映画のようです…だからそれなりに面白かったんかな。本家の方はフィルマ始めた時にclipして完全に忘れてましたが(笑)

主人公のコディがストリップ劇場のアマチュア大会に出演するもんだから、捜査のフリして(捜査もしてるんだろうけど)署の警察たちが全員ストリップ見にきてるというアホらしさ。

コディの方も最初は嫌々舞台の上でテキトーなダンス踊ってたんだけど、囃し立てる観客の男たちに良い気分になってきて結局大会では優勝。劇場経営者からは君を雇いたいと言われる始末。本人も「男たちを刺激すると自分も興奮する。それが面白いの。」とかストリップ論を語り出すというノリノリ具合。

犯人の顔を見せずに、残虐な方法で殺されていく美女たちを捉える映像はジャーロのようだし、特に第一の橋の上から突き落とす殺人なんてやり口は全く違うにしてもアルドラド監督の『硝子人形の短夜』の舞台演出を思わせる。恐らくジャーロから強く影響を受けて作られたのだろうと思います。

肝心のミステリについては、大オチは全く気づかなかったけど、「まぁそうだろな」っていうところに落ち着いてしまったけど、警察という男だらけの職場で男に命令された通りに嫌なこともやらないといけないという抑圧環境の中で、今まで命令する側だった男たちを「女」を武器に魅惑していくことに快感を覚えていくコディの描き方は面白かったし、本作の一番の見どころだったと思います。男なんて役立たずで、強いのは女だという強い女性像を根底に置いた物語は爽快感がありました。
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