オム

トロイのオムのネタバレレビュー・内容・結末

トロイ(2004年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

びっっっくりした。
映画でここまで号泣したの、すごく久しぶりで自分の感情に追いつけなかった笑それくらいのめり込んで観ることができた。何に重きを置いて観るかでだいぶ感想も変わってきそう。ギリシャ神話の予備知識はほぼ皆無で鑑賞。人物の名前さえ把握できればその後は神話関係なく楽しめた。大作だけあって、セット、衣装、キャスト、どれも逸品!という感じで、戦闘シーンも迫力がある。ほぼスタントなしの戦闘シーンも多かったみたい。血は結構容赦無く出る、首も跳ぶ、血が苦手なので途中目を覆うことも。

序盤からヘクトルに肩入れしながら鑑賞。和平を結んだ相手から女性を差し入れられても妻が待つと断るヘクトル。もうこの時点でヘクトルの高潔さ天井知らず。いついかなる時も国を第一に想い、妻子(自分ののみならず、国の女子供)の今後を常に考え、進言すべきことは進言し、戦況を見極め、戦争とは、戦いとは王が戦うのではなく、兵士が戦うのだと理解し、割りを食っても文句を言わず、粛々と国のために、次期王として、いち武人として、大将としてのやるべきことを行う。完璧すぎない?誰だってこの人の幸せ願うでしょ。めちゃくちゃ幸せになって欲しかったし、せめてその高潔さが汚れることなく名誉を受けた最後であって欲しかった。

わたしはおそらく途中からヘクトルの隊にいるヘクトルを尊敬する兵卒だった←
ヘクトル様、ご武運を!ヘクトル様、あなたに勝利を!ヘクトル様!わたしの命を投げ打ってでも!と思って見ていたようで、ヘクトルがアキレスと闘った時(この経緯もさぁ….お告げお告げ言った神官もヘクトルの意見よりお告げマンに従った王も許さないからな。弟とその嫁?許さん。論外だ。)ヘクトルが負けて死ぬことは覚悟していた。けれどあんな辱しめをなぜヘクトル様が受けねばならない?彼が何をした?常に真っ直ぐに誰のことも辱しめずに生きた彼になぜそんなことができる?返して!ヘクトル様を返して!!引きずられる彼の亡骸を観ていたらもう無理だった、コントロールできないくらい泣いた笑
この世の理不尽が凝縮されているシーンだと思った。この時代、この映画の中だけじゃない、これはもうこの世の理不尽の凝縮だ。

ただ、その後、ヘクトル様が手厚く埋葬されて本当に良かった。でも、だとしても王は許さないからな←
アキレスが泣いた、そのことで少し救われた。本当にアキレス許さないと思ったけどあの心の内を知って少し晴れた。そしてトロイの木馬、あれは卑怯!焼いちまえよ!!!ヘクトル様がいればなあ!?!

エンドロール、ヘクトル様が同じ時代を生きたことを誇りに思う、とアキレスの親友でもある敵国の王(王いすぎだった)に評されててまた泣いた。ヘクトル様の声を潰してまで戦争を急いだ人たち許さない。わたしはヘクトル様の意志を継いで誇り高く生きる。そんな映画でした←?

心揺さぶられたわ…
あ、アキレスは強かったですね。弟は許しません(再確認)
オム

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