パン

少女邂逅のパンのレビュー・感想・評価

少女邂逅(2017年製作の映画)
4.2
虐めによってほとんど声が出せなくなった少女の物語。
この映画の監督自身が虐めの体験で声が出なかったらしい…
そんな辛い体験したのに映画監督になるなんて凄いよな。

とにかく幻想的で芸術志向の作品。 
幻覚と現実の区別がつきにくく観てて戸惑う感覚があったけどそれが逆に快感だったな。 
最初は「まさか虫の擬人化映画!?」って思って映画のとべない沈黙思い出した。 
まあ実際は紬という存在は蚕のメタファー的表現ではあるものの実在する現実の人間だと俺は解釈してるが…  

蚕ってこんなにメッセージ性の強い生き物だったんだね。
互いの距離が近づきすぎると絡まっちゃうとか、虫は痛覚がないから羨ましいとかさ…
蚕って羽化しても二日しか生きれないんだな。
口すらない。何のために生きてるんだろ。 

紬ちゃん本当に蚕っぽい雰囲気の女の子でよくこんなドンピシャな役の女優がいたなと驚いたよ。 
独特の作風かつ重々しいテーマと雰囲気ではあるが、不思議と居心地の悪くない空間を作り出せている映画だった。
「よく知らないことはいくらだって悪く言える」というセリフが良かった。

んー最後は2人とも沖縄でエンジョイして欲しかったな…
俺はその光景が見たかった。本当に悲しい。
タイトルの少女邂逅(かいこう)なのも地味に秀逸だね。
他の人が詳しい考察とかしてるならそれも読んでみたいから探してみようかな。

あと最後に一言。
あの豚の貯金箱可愛い。俺が子供の頃もあの貯金箱あったな。
パン

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