シネマスナイパーF

少女邂逅のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

少女邂逅(2017年製作の映画)
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80ページもあるプログラムなんて初めて見たぞ
そして監督を生で見たけどエラく若くて美人だったぞ24だからな
そんなことより、まずは何故いじめられていたのかを教えてくれよ!話はそれからだ


繭ってのが、いつも通り自分の殻というものの表現であり、いいように使われる外見というものの表現でもあり、そして実は窮屈さも感じさせるものの表現でもある
こんなものなんだ、と失意を感じたように、飛び出したところで所詮飛ぶ能力なんてなく、都合よく側だけでも良いように使われていくしかなさそうだからこそ、逆に痛みを大事にして生きていかなければならなかったのに、完全に麻痺してしまっていたのか
結局、近づき過ぎてしまったばっかりに、絡まりすぎてしまったばっかりに、掛け違いが生まれてしまったのかもしれないし、仕切りが必要だったのかもしれない


映像表現に長けた作品で、お菓子万引きするくだりの後、本屋で「万引きは犯罪です」っていうポスターを露骨に見せて禁忌の領域に足を踏み入れた感出したり、図書室の奥に連れて行き奥の中でも明暗をハッキリさせて違う世界の人間感増したり、白濁の湯船で血を流し眠り潜ったミユリが、繭の中で紬の女性的闇が分かる夢を見てしまったりと、序盤、いじめ描写が鞄ひっくり返すだけだったり服あまり汚れてなかったり傷もついてなかったりと弱すぎだったのですが、その辺帳消しでした

喫茶での長回しなんて、紬がグイグイ自分に押し寄せてくるミユリの感覚が分かると同時に、ワンカットだからこその二人だけの空気感が味わえて、とても良いシーンになっています
スマホで撮り合うシーンなんかも、二人の視点と俯瞰した視点が両方楽しめて、入り込みやすさ抜群


手荒さ目立つ作品ですが、美しく儚い少女たちの一瞬を、とても若い女性監督が出来る限りの事を尽くし、このような作品として作り上げて、全国規模で公開されたことは凄いですよ
今すぐ観に行くべき作品の内の一本であることは間違いない
おそらく後年も評価され続けるであろう青春映画に、なるんじゃあないでしょうか!?
是非!是非是非!