少女邂逅
邂逅(かいこう)
「偶然巡り合うこと」
「思いがけない出会い」
虐め、リストカット、死を望んだ少女ミユリの前に現れた1匹の蚕と1人の少女ツムギ。
「君の価値を見つけてあげるよ」
そう静かに呟いたツムギは、ミユリにとっての救いになったのだろうか。
謎めいた不思議な空気を纏ったツムギにミユリが感じたのは、友情と愛おしさと、恐れ。
彼女の淡い表情は、何を考えているのか分からない、だけど離れたくない、そして美しい。
2人の少女が撮ったスマホの映像。
その映像は、現実よりも美しくキラキラとした世界だった。
しかし、二人の世界はいつからか溝ができていった。
こんな狭い世界にいつまでいるんだよ
蚕は部屋を分けないと2匹の糸が絡まっちゃうんだ
沖縄の約束
彼女にとって大切な約束だったはずの沖縄旅行。ツムギの行為を知りながらも、旅行に出発した2人。
ツムギから伸びる糸が切れた時、ミユリは何を思ったのだろう。
ミユリは飛び立ち
ツムギは地に落ちた
そしてラストはミユリがツムギに近づこうとしたのかな。
「ねぇ知ってる?
虫って痛みを感じないんだって」
色んな場面で考察のしがいがある作品だった。あの時のセリフ、行動、表現が何を表していたのか、その時2人は何を思っていたのか。
考えれば考えるほど深みが出そうだ。
時間があれは、卒業論文1本書けそうな気がする。
改めてすごい作品だ。
邦画も捨てたもんじゃない。