【じぇれのレビュー】
2019/5/6
【ナメていたら度肝を抜かれる】
前知識なしで鑑賞したため、白石晃士監督作品の模倣のような序盤は、学生映画らしいなぁと生温かく見守っていました。
その割に、脱げる美少女が登場したり、えらく演技の上手い女優が登場したりで、「この監督、何者?」とは思ったのですが、まだまだ油断をしておりました。
ですので、フェイクドキュメンタリーが変質していき、異常性を帯びていく後半には、『カメラを止めるな!』以上の衝撃を受けた次第。
独りよがりに感じる展開もありますが、それすら伏線張って織り込み済みの完全確信犯。
「この脚本は独りよがり」などと登場人物に言わせちゃってるんですから。
いやぁ、タダ者じゃないですね、この監督。
次作では商業映画に進出するらしいのですが、一体どんな作品を撮っていくのでしょう?
作風は全く違いますが、ちょっぴりこじらせ気味っていう点では、ラース・フォン・トリアーに似た部分もありますので、作家性の強い作品を撮り続けてほしいものです。
しかし......今の日本映画界にこの監督を受け入れる度量があるのでしょうか?
目の離せない異才といってよいでしょう。
※4.0にしてもよかったのですが、ラストまで某アニメの引用だったのが気になり、やめておきました。
随所に引用・借用を用いるのはよいのですが、ラストぐらいはオリジナリティで勝負してほしいところ。
次作に期待します。