カナノシ

LOOP/ループ -時に囚われた男-のカナノシのレビュー・感想・評価

3.8
父親の働く病院から非合法にお薬を売買して小銭を稼ぐアダム。共に暮らすアンナと共にこんな生活から抜け出すために大きなヤマに手を出したものの、うまく行かずに命を狙われるハメに。
街を出ようとすると、酷く焦るアンナがいた。動揺する彼女は、アダムが先程何者かに殺害された筈だと言う。
次の瞬間、アンナを襲う一台の車。
パニックと恐怖のあまり、アンナが持っていたビデオテープを拾いその場から逃げ出すアダム。
絶望の中、ビデオテープを再生すると不可解な映像が…
アンナの言うように、惨たらしく殺されるアダムの姿だった。
訳の分からない状況に絶句するアダム。
その時、映像と同じようにけたたましいノックの音が部屋に響いてーーーな話!

タイトルの通りタイムループもの!
本作では特にきっかけなく「いつのまにか」ループしているところが特徴で、昨今流行りの死に戻り等では無いため作中ではっきりと主人公アダムの死の描写がされているところから「これループ終わるじゃん死ぬなら」ってなったけど、アダム視点→アンナ視点→アダム視点と交互に切り替える事でループを完成させている。
これ結構上手いことやったなぁと感心。

物語は淡々と言うより、静々と進む。
それが返って何か不穏な事が起きている感をマシマシにして良き。壊れた時計台や車のナンバー、猫と言ったオマージュ・リスペクト・インスパイアにこの監督めっちゃSF好きなんだろうな臭が。

解決方法が某アニメを彷彿とさせて既視感だったのが少しだけ残念。でもこのストーリーならこの解決方法になるよね!

時間移動系の映画観たい周期に入ってしまった様なので、次の作品を探さねば…
不穏かつ繊細なループ演出はいぶし銀なきなこねじりの如く。そんな一本でした!
カナノシ

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