ちろる

夜が明けるまでのちろるのレビュー・感想・評価

夜が明けるまで(2017年製作の映画)
3.7
近所のアディーが突然夜家にやってきて言った。
「眠れないの夜に一緒に寝てほしいの。」
互いに独り身になってしばらく経つ身。
老いぼれて、それを嘆くわけでもなく寂しさもそれなりに自分でどうにかできていた。
昼間カフェで友達とたわいもない話をしたり、新聞のクロスワードパズルを解いたり、夕飯を作って食べたり・・・

でも、ふとやってみようと思ったルイスは、次の日の夜アディーの家の扉の戸を叩いた。

互いのことをよく知らないルイスとアディーは少しずつ、互いのことを話すようになった。

なんか温かいなにかが体を包んでく。
それは恋とかそういうのではない何か。

寂しい夜が埋められて、だんだんと当たり前になっていくと、いない夜がとても苦しくなっていく。

シニアの独り身の男女の繊細な心の動きを丁寧に見せ、まだその年齢に達していない鑑賞者にも老後の虚しさ、寂しさ、人恋しさを共感させるロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダ2人の名優の演技が印象的。
これまでの人生があるから、愛の深まる兆しがあっても、大きく人生を変えることができない。けど、誰かのことを深く考えるできる時間がある事の素晴らしさをもう一度噛み締めることができる、穏やかで優しい作品でした。
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