かじドゥンドゥン

夜が明けるまでのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

夜が明けるまで(2017年製作の映画)
3.8
人生の伴侶を亡くして久しい隣人同士の物語。夜眠れないという老女アディーから、毎晩、同じベッドで語り合いながら寝ないかと提案されたルイスは、その大胆な申し出に戸惑いつつも、試しに応じてみる。近所の目と噂、家族の反対などはあるものの、人生の後悔や良心の呵責を率直に打明けられる時間は老男女にとって貴重なものとなり、二人の間に強い絆が生まれる。

アディーが孫息子を一時的に家で預かることになると、三人で川の字になって寝たり、キャンプに行ったりと、ほほえましい疑似家族ができあがる。少年が去った後は、アディーとルイスで都市部の高級ホテルに泊まって、気分転換。そこで初めて二人は、当初の約束を撤回し、肉体関係を結ぶ。もう周囲の目は気にせず、二人で手を繋いでデートをするような日々の始まり。

ところが、アディーとその息子との葛藤が再燃する。母親としての義務を果たしはしたものの、子への愛情に欠けていたことを糾弾されたアディーは、遅ればせながら「自分の」家族と向き合い、穴を埋めるべく、息子や孫との同居生活を決意。ルイスもその決断に納得し、彼女を送り出す。