この映画公開時、レッドフォード81歳フォンダ80歳ですよ。驚き。
さすがにレッドフォードは顔も皴しわだし、歩き方もおぼつかないしで、往年のハンサムスターの華やかさは影を潜めてしまっているけど、時々見せる笑顔なんか未だにキュートだなあ。
一方フォンダは立ち姿が美しいし、肌もキレイだしでとても80歳とは思えない。さすがエアロビの女王。
お話は、一人は自らの手で、もう一人は不慮の事態で家庭が崩壊してしまい、それぞれ孤独の中に生きる年老いた男女の物語。
お互い友達はいるみたいだから完全な孤独ではないけど、年をとって一人暮らしの生活に寂寞とした思いを抱いている。
だからといって「夜一緒に寝ませんか？」と誘う方も誘う方だし、戸惑いながらも同じベッドに入る方も大胆だな、とは思う。
老人のためのファンタジー映画と言っても過言ではない。
果たして自分は80歳になった時、こんな未知の世界にチャレンジするような好奇心も持っていられるだろうか？
何度か同衾（性的なものではない）を繰り返すうち、ご近所さんであったのにほとんど知らなかった相手のことを、肯定するでも否定するでもなく、少しずつ理解していく様子は、長く人生を生きた者のみが持ちうる他者への寛容のようで、自分の晩年もこんな風だといいな、など観ていてしみじみとした気持ちになる。
そして男のこのセリフ
Well, you know what I want?
I just want to live out my day and then come tell you about it at night.
いいですよね、こんな風に言われたら。
電話が良い小道具になっていて、ラストでなるほどね、と微笑ましいシーンにつながる。文明の利器って素晴らしい。
