ライリー・キーオが出てるサイコ・ホラー／スリラーだ〜って感じです。
舞台は、狼に子供がさらわれる事件が相次ぐアラスカのキールート（Keelut）という過疎化された村。ガチガチに寒い12月、メドラ・スローン（ライリー・キーオ）の6歳の息子も行方不明になる。
メドラは、狼の生態を研究し、人に害のある狼をハント・ダウンした本を書いた著者のラッセル・コア（ジェフリー・ライト）に手紙を書く。
なんでこの手紙をもらってラッセルがアラスカくんだりまでやってきたのか疑問だったのですが、疎遠になってた娘がアンカレッジに住んでいるので、娘に逢いがてら、みたいな理由らしい。
メドラは自宅にラッセルを泊め、息子をさらった狼たちをハント・ダウンして殺してほしいと言う。
どういうお願いなんだ？と思いました。息子を助けて欲しい、じゃないのね。
その夜、ラッセルはメドラの奇怪な行動を目撃する。お風呂に入ってから、木でできた狼の仮面をつけ、全裸でラッセルの布団に入り、ラッセルの手を自分の首に持っていく・・・・
この間、ライリー・キーオとジェフリー・ライトはずーっと囁くような声でしか喋らないし、ライリー・キーオはメンタルやられている風。ライリー・キーオってこういう役多いよなあ。
何度も寝落ちしながら観てましたが、場面変わってアフガニスタン。メドラの夫ヴァーノン・スローン（アレクサンダー・スカルスガルド）は兵隊として戦場にいる。地元の女性をレイプしていた同僚をナイフで刺し、そのナイフをレイプされていた女性に渡し、去る。その後首を撃たれて死にかけるが、その傷が元でアメリカに帰れることになる。
アレクサンダー・スカルスガルドもなぜかいつもこういうサイコパスの役ばっかですよね。いい男なのに。ほぼ『キル・チーム』と同じような役柄でした。
ラッセルはメドラに言われて狼を捕まえに（殺しに？）行き、狼の集団が自分たちの子供を食べているところに遭遇する。狼たちはラッセルを攻撃しない。ラッセルはメドラの家に帰ってくるが、メドラは行方不明になっていて、ラッセルは地下室で息子の死体を見つける。
で、警察が来て、夫ヴァーノンも帰ってきて、ヴァーノンは息子を殺した妻のメドラを警察より先に見つけようとして・・・
みたいな流れになっていくんだけども、様々なミステリアスなキャラ（イヌイットの預言者っぽいおばあさん、ハズレの荒地でハンターやっている人、ヴァーノンの友達でトランプ支持者みたいな人）など出てきて、色んなエピソードてんこ盛りな割には、何を言わんとしているのかよーわからん。つか、どうとでも解釈できるけど、それが「怖い」わけでもないし、「おお〜！」って思うわけでもない。で、眠くなる。
これiMDb では私みたいに「ストーリーないじゃん！」って言う人と、「マスターピースだ！」って言う人と真っ二つに別れているので、「マスターピースだ！」って言ってる人の意見を読んでみたのですが、こういう人たちは「寒そうでどんよりした雰囲気」や「なにか邪悪なものが潜んでいる雰囲気」が良く、だけど「私も話のオチは良く解らないが」と言っている人が多い。つまり、私のように話の辻褄が合わないことはそれほど問題ではなく、「あえてわからない方がミステリアスで良い」ってことらしい。
しかしその割には、M60というバカでかいマシンガンで警官と銃撃戦をやるシーンがえらく長かったり、結局見せ場は銃撃戦なのかよ、ミステリアスもなにもあったもんじゃねーな！って思うんですが・・・。
一応ネタバレらしきことを書いている人もいたのですが、それもやっぱゴニョゴニョしていて「結局ストーリーないんでしょ！」って思うんですけど、一個だけ納得いったのは、Keelut ってのがアラスカの原住民・イヌイットのフォークロアで語られる、狼のような形をしていて、寒くなると人間を襲う、特に1人で旅をしている人を襲う死霊で、この映画のストーリーはこの伝承を物語にしたってことらしい。
つまり日本で言う「なまはげ」とかああいう架空の悪魔？的なものをモチーフにした話なんだなあと私は理解しました。なまはげも子供をさらっていくもんね。
うーんそうなのか〜。まず、Keelut の伝説のことを上手に説明していないので「知らなかったら解らない」とその時点で置いていかれる。一応セリフの中にそれらしき示唆があるのだが、それが繋がらない。また、Keelut を村の名前にしちゃうってのが良く解らない。素直に「Keelut って伝承があるんだよ」って説明した方が怖いと思うんだが。
こういう伝承をサイコパスやアフガニスタンなど現在のトピックに関連付けるやり方もなんかピンと来ない。
なので「語り口が下手くそ」「お話の膨らまし方が下手くそ」って思うのですが、この映画が好きな人は「いやお前が解らないだけだ！」って言うんだろうなあ。
