ジャイロ

ハーピアのジャイロのレビュー・感想・評価

ハーピア(1979年製作の映画)
3.6
えぇーとですねぇ、アタシもこういう趣味なものだから怖い映画をつい、観ちゃうんだな、ええ。 

とある人が主人公の話なんですがね、仮にこの方をAさんとしておきましょうか

Aさん、いつも夜遅くまで仕事してるんだけど、この日は特に遅くなっちゃってね。時計の針は真夜中をとっくに過ぎてる。これじゃあタクシーも拾えない。仕方ないから歩いて帰るかってんで、たった一人で、てくてくてくてく真夜中の町を歩き出したんだそうです。

普段ならこんな時間でも何人か人が歩いてたりするんですけど、その日に限っては、どうしてか町に人影が無い。車も走っていない。野良猫すらいない。だあれもいないんですよ。

暗~い夜道はAさんの足音しか聞こえないんだ

なんだかさみしいな~、怖いな~

気のせいか空気まで生暖かくなってきた

変だな~、変だな~

Aさん、足早に家に帰ろうとした

 そしたら突然「きゃあああああ」って女の声がした。Aさん、一瞬「あれ、おかしいな~?」 くらいにしか思わなかったんですよ 。空耳かな~って。でも確かに聞こえるんだ。女の悲鳴が。

やだな~、やだな~

Aさんね「厄介事に巻き込まれたくない」真っ先にそう思ったらしいんですよ。でもこんな真夜中に女が悲鳴あげてる、こりゃ大変だってんで考えるのをやめて、声のする方に向かって走り出した。前につんのめりそうになりながら走ったんだそうです。

走って、走って、走って、息を切らしながら角を曲がったら広場に出た。そしたら女が男に襲われてるのが見えた。

やっぱり。

そこからは、もう無我夢中で助けた。あんまり夢中だったから、どうやって助けたかなんて覚えちゃいない。

それで助けた後に気づいた。この女、なーんか妙だなあ?なんだろな~、よく見たらなんだかおかしいんだ。

胸がはだけてる。

きっと男に襲われたんだろうな~。なんだか可哀想になってね、Aさん、女に背を向けて着ている上着を差し出したんだ。

そしたら反応がない。

な~んか妙だ?なんだろな~って振り向いたんだ。

見た瞬間、背筋がゾクっ~…ってしましたよ、ええ 

ありえない!ありっこないんだ!! 

女だと思ってたのが鳥だったなんて! 

一目でわかった

この世のモノじゃない

「うわ~、嫌なもの見ちゃったな~」って思いましたよ、ええ。 

それからAさん…

この後…

この鳥を家に持って帰ったんだそうです。

なぜこの時、家に持って帰ろうなんて思ったのか、いくら思いだそうとしてもぜんぜん思いだせない。世の中、不思議なこともあるもんだな~ってAさんそう言ってましたよ、ええ。

やがて自分の家についたAさん

さっきの広場からそんなに離れていないんですね

近所なのに物騒だな~、なんて思いながら、Aさん、ドアをイイイィィィ・・・って開けて家に入っていったんだ

でっかい鳥を抱きかかえたまま…

🐦

本当に怖いのはここからなんだけど、おかしいな~、おかしいな~、このショートフィルム、9分くらいしかないのに、稲川さんの口調でレビューしようとしたら、ぜんぜん書き終わる気がしない。だからこの辺で止めときます。雰囲気のある怖い映画でした。この映画、ネットに転がってるんで、興味のある方、続きはWEBで。