利根川

映画ドラえもん のび太の宝島の利根川のレビュー・感想・評価

2.0
ドラえもんの終わりを見てしまった気がする。キャラクターだけでなく話が記号化してしまっている。親に反抗する子供、泣きつくのび太、甘いドラえもん、ヒロインのしずかちゃん、嫌味なスネ夫、からかうジャイアン。たぬき、お風呂、秘密道具。全てが符号のように散らばっているだけ。
元々子供向けの映画、「なるほど」と膝を叩くようなものを期待していたわけではないが拍子抜けしてしまった。
イキイキと動いているものは何もない。
伝えたいことが浅い。擦られて続けすり減っているのではなくただただ浅い。表面上にしか触れていない。
リメイクに近く、話の下地があることがかえってマイナスに働いているのか。膨張材に不要なものが詰め込まれ話がスカスカ。

こういった児童向けアニメを見て思うのだが製作者は視聴者のことをどれだけ正確に把握しているのか。子供は考えは足りないが決して馬鹿ではない。込められた意味、描写の意図が難解でもそのモヤモヤを投げ出さず心のどこかに持って共に成長していく。子供だから浅くていいだろうというのは舐め腐っている。
愛想笑いも覚えている。「これやってればウケるでしょ」と入れた演出が本当に受けているのか今一度見直さなくてはいけないと考えさせられた。
利根川

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