TAK44マグナム

サイボーグのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

サイボーグ(1989年製作の映画)
2.7
90年代は俺が守る!

スタローン師匠のアクションスター再生工場「エクスペンダブルズ」シリーズ二作目においしい役どころで出演して復活の狼煙をあげたままになっているジャン・クロード・ヴァンダム(テレ東所属)の初期代表作。

タイトルは「サイボーグ」ですが、ヴァンダム演じる主人公は、ある重要な任務をおった女性サイボーグを守る戦士で、普通の生身な人間。
サイボーグなのは守られる女性と、それを狙う悪のサイボーグなんですね。
廃墟となったビルで、鎖をふりまわすアナーキーでヒャッハーな方がたと対峙するヴァンダム・・・そう、本作は文明崩壊後の近未来を舞台にした世紀末映画でもあります。
つまりは、一時期、大量生産された、低予算で撮られた単純なアクション映画って事です。
ヴァンダムは、得意の回し蹴りや股割りで、悪いやつらをボコりますが、けっこうやられまくったりもして、捕まって酷い目にもあったりしちゃいます。
悪のサイボーグが元カノの仇なんで、実は自身の復讐心から戦っているんですが、そのせいか女性サイボーグがおざなりだったりするのが訳わからんところ。

廃墟で戦うヴァンダムは恰好いいんですが、アルバート・ピュン監督はどうにも平板な映画しか撮れないのか、ヴァンダムが持っていたスター性を活かしきれてはいない模様。
まあ、アクションばかりで大して面白くなかった「ネメシス」(これも題材はサイボーグです)が代表作だっていう監督さんですから、推して知るべしですが・・・

プロデューサーは、チャック・ノリスの「デルタフォース」やチャールズ・ブロンソンの「スーパーマグナム」など、B級アクションに強いイメージのある、イスラエル最強の映画プロデューサー、メナハム・ゴーラン。
そんな彼の製作会社で働いていたプロデューサーが立ち上げたのが「エクスペンダブルズ」シリーズで大儲けしたニュー・イメージだったりします。
つまり、スタローンやノリス、ヴァンダムたちアクションスターたちは、ずっと同じ池で泳いでいただけ、とも取れるわけですね(苦笑)。
たぶん、ブロンソンも生きていたら、きっと「エクスペンダブルズ」に出演していたに違いないと思います。

ろくに英語も喋れなかったウェイターのヴァンダムが、回し蹴りだけを頼りにのし上がるキッカケとなった映画のひとつとして記憶される・・・なんて思えば、なんとなくアメリカン・ドリーム的な良い話に聞こえなくもないかも(苦笑)

続編は何と、アンジェリーナ・ジョリーのデビュー作なんですが、置いてあったレンタル店が借りる前に潰れたので残念ながら未見です。


レンタルビデオにて