とある映画依存症女

囚われた国家のとある映画依存症女のレビュー・感想・評価

囚われた国家(2019年製作の映画)
3.9
ダークでシリアス、渋めでラストがなかなかエモいディストピア系SF。地味だけどなかなか掘り出し物な作品✨(ユーネクストにて鑑賞2023年12月29日 100点満点中79点)

多分、私の好きなとある映画系YouTuberさんが紹介していなければスルーしていたであろう本作。タイトルだけでみると地味目で重いのかな、わかりにくい難しめな作品かなという印象で鑑賞開始。

あらすじはざっくりいうなら、知能の高いエイリアンに侵略されてしまった地球。人間はエイリアンの統治下に置かれ、閉鎖区域なども設けられ、貧困の格差も大きくなっており、貧しい人々は困窮した生活を送っていた。その状況を解決しようと反抗勢力が様々統治状態の壊滅を試みるも失敗。本作では、生き残っているレジスタンスグループが支配者層とエイリアンにテロを起こし、統治国家の壊滅を試みる物語。

とここまで、書いてエイリアン系の作品なのかなと思われる方多いかなと思いますが、本作のメインはレジスタンスVS支配者側の人間対人間の戦いが中心となっている。
物語の雰囲気はダークでシリアスめだけど、重すぎないという印象。エイリアン系映画というよりはディストピア系SF映画。アメリカの作品だけど、物語のイメージはヨーロッパの面白めのSF映画といった印象。派手なシーンはそこまでなく、日常やレジスタンスのやりとりで世界観や荒廃した近未来を上手く描いている。レジスタンスグループのドラマもなかなか味があり、クセや特徴的なキャストは少ないものの、主演?のアフリカ系男性をはじめ、グループがそれぞれの特技、頭脳を活かし、テロを企てて反抗していくドラマが見どころであった。

エイリアンが姿を表すのは冒頭と終盤、テロ実行前後と登場が非常に少ないが、圧倒的強さと独特なエイリアンの出す効果音で不気味さがあってこれまた良い。クリーチャーの造形や見せ方では他作品に1歩及ばないが、恐怖の対象として非常に記憶に残るエイリアンであった。

ラストは抽象的だけど、期待ある終わり方となっており、地球の人類にとって希望あるラストとなっています。最後10分くらいのやりとり、オチというかがとにかくエモい。(ネタバレは避けときます)

総合的には、準おすすめ、掘り出し物の良作といった感じです。ビギナーさんには退屈かもしれませんが、映画通、SF好きには刺さりそうな映画でした。

※文体がバラバラですいません🙇‍♀️