Netflix制作、中国を代表する芸術家であり国際的に様々な活躍しているツァイグオチャンと、彼が長年目標にしているハシゴ型の花火の作品に焦点を当てたドキュメンタリー映画。
ツァイグオチャンについては今作を通して初めて知りましたが、花火に限らず色々な作品を手掛けていて、一度彼の展覧会にも足を運んでみたくなりました。そういう意味では、この対象となった人物に興味が湧いた時点で今作はドキュメンタリーとして成功していると思います。傲慢な芸術家ってどの業界にもいますが、ツァイグオチャンは決してそんなこともなく、彼の人柄と作品の幅広さで今作は成り立っていました。中国政府と板挟みになりながら葛藤する様とか、如何にも金持ちっぽいアメリカのビジネスマンに搾取されつつもそれを逆に利用したりとか、同じく中国出身のチャンイーモウと共に国際政治のセレモニーを手掛けたりしていて、興味深かったし、攻めた題材で良かったです。Netflixじゃなきゃおそらく撮れないであろう場所にもカメラが入っていて、そこは褒めるべき点だと思いました。ただまあ、ツァイグオチャンの個人的な悩みや、中国そのものの問題よりも、彼の作品をボーッと眺めている方が視覚的に面白かったのが否めません。
芸術家に興味がある人は見ても良いドキュメンタリーだと思います。
