ROY

垂直線のROYのレビュー・感想・評価

垂直線(1960年製作の映画)
-
「NFB Films」で鑑賞

線三部作:『垂直線』『水平線』『モザイク』

フィルムに直接書き込まれた線がモーリス・ブラックバーンの電子ピアノに合わせて、変化する色の背景の中で正確かつ優雅に動く。

———————————————————————————

『垂直線』のイメージには「東洋的あるい は古代的な印象を与える」音楽が付加されるが、そこには厳密なシンクロはなく、何らかのモティーフが反復する訳ではない。しかし栗原詩子の検証により、『垂直線』にはアルペジオ、シンプルなポリフォニー的な部分、和音を連続させる部分が織り交ぜられており、この作品の終盤、線の数が増えて密集する部分では、音楽もそれに対応して盛り上がりを見せていることが分かる。『球の配列』(1969)に至っては、映像だけでは死蔵された可能性のある作品を世に送り出すことになった契機がグレン・ グールド演奏のバッハだったことが明らかにされている。

↑谷口昭弘、https://www.jstage.jst.go.jp/article/ongakugaku/63/1/63_36/_pdf/-char/en
ROY

ROY