スペクター

JUNK HEADのスペクターのレビュー・感想・評価

JUNK HEAD(2017年製作の映画)
4.6
どれだけ大金かけて、豪華キャストを揃えた映画でも、たった一人の才能と執念を注いだ映画に敵わないことがある。本作はそれを教えてくれる。

全く経験のない状態から、独学でアニメーションの製作手法をマスターし、ここまでこぎつけるなんて、狂気としか言いようがない!

目的もなくただその日を生きていただけの主人公が地下世界を旅して、モンスターに襲われ、「死にたくない」、「喰われたくない」という生存本能を加速させる。そう思わせる俗物的な表現がある。
その中で様々なマリガンに遭遇し、彼らと交流、共闘していくなかで、何としてもミッションを果たさなければという使命感が燃え上がる。難しくない笑いあり、涙あり、手に汗握る展開でアツくなる。

あのトリオにまさか最後泣かされるとは…。フランシス、ジュリアン、アレクサンドルだったとは…、知ったときは笑ったけど。マリガン達のキモかわいいを基調とした造形がいいね、こりゃギレルモ・デル・トロも好きになるよ。

個人的にはクノコが一番笑った。何かの生き物の背中の肉芽、地下世界のおつまみ。
あの異様な光景、よくこんなこと思い付くなと思った。
これから見る人は映画史上稀で笑えるエンドロールを見逃さないでほしい。出てくる名前がほぼ堀貴秀という。
BGMとか直したほうが良い箇所がある言う人がいるが、裏を返せばこれだけ面白さと衝撃的な製作背景がありながらまだまだグレードアップさせる余地があるわけだ。

「シン・仮面ライダー」を見た後にアマプラで再度見て比較しただけに、尚更自分はこの映画を断固支持します!
2025年に新作の公開が決まったが、絶対映画館に駆けつけるのでよろしく。
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