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ヴァーサス/ケン・ローチ映画と人生のleylaのレビュー・感想・評価

3.9
好きな監督はたくさんいるけど、ケン・ローチの場合は尊敬する監督。
今作はケン・ローチ監督の映画への信念を追いかけたドキュメンタリー作品です。

原動力は怒り。
BBCのドラマ時代から、貧困に苦しむ労働者階級の人々に目を向け、不条理な社会をドキュメンタリーのように描き、人々に問いかける。引退したのにまた復活したのは、社会への怒りのためでした。

政府とヴァーサス(VS)し続けた監督。
イギリス史上最も左翼的な監督と言われています。ボツになっても、酷評されても、資金繰りに苦しくなっても、何度も立ち上がり、社会に訴えかける作品を作り続ける不屈の精神力に圧倒されました。

決して何者にも屈しない。
なぜなら強い信念が彼を映画製作へ駆り立ているから。裏を返せば、とてつもない優しさを秘めている人。その眼差しは人間愛に満ちています。

労働者階級の生まれ。
監督の父は工場勤務で、休みなく働いていたのに裕福な家庭ではなかった。その経験が、映画監督ケン・ローチを生み出したのだと思います。
ご本人は知的で穏やかな人。観終わってますます尊敬の念が高まりました。 
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