このレビューはネタバレを含みます
すっかり恋愛ドラマかと思えば家族のお話だった。もちろん主人公フィルが転校生ニコラスに恋して親友との関係や裏切りやいろいろあるんだけど、やっぱりメインは家族の話。
娘と母親の関係性は複雑化するとなかなか大変。そこに居心地悪くなるフィル、そりゃそう、既視感のある光景。
思春期高校生フィルを演じるルイスホフマンが若い綺麗儚い。本当に繊細な演技するよね。
ニコラスとカットがそうなっちゃってフィルが怒るには当たり前。若さゆえかもしれないがカットの嫉妬もニコラスのご都合主義もどうかと思う。私なら綺麗さっぱり縁切りさせてもらう。
フィルは最後アメリカへ旅立つわけだが、僕の世界の中心はいつまでもここだ、と家族たちを眺める。アメリカ行きも父親に会いたい気持ちからだし、そこにもルーツがあるけどやっぱり自分の世界の中心は生きてきたここだよ、家族って大事だよね、みたいなメッセージかな。ちょっと重いけど。
アメリカ行って世界が広がったらニコラスとカットのことも過去として片付くよねきっと。
なんだかんだフィルの周りには理解者が多いので葛藤はあるけど支えてくれたりアドバイスくれる人も多く恵まれてるなと思った。
家庭内は複雑だったかもしれないけど、そんな時には親友カットがいたしね。
人によって世界の中心は違う。「僕の世界」のパーツを埋めていくような旅なんだろうなアメリカは。
ドラン作品ぽいって意見も見かけたけど、それとこれは随分違うかなぁ。
あんなにヒリヒリした痛みは無いし、メッセージもどちらかと言えば対極にある気もする。
あとこの作品、こんなに性描写いるかなぁ。
いらなくない?